「下限値よりも暗いエリア」と「上限値よりも明るいエリア」を「黒」と判断し、上限値と下限値の間のエリアを「白」と判断します。ただし、白黒反転「有」に設定すると、白黒判断は逆になります。通常、2値化しきい値を1つだけ使用するときは、上限値を「255」にして下限値のみを調整します。
(調整例)
下図のように背景が黒、計測対象が白で点線部分の2値化を行う場合、下限値を大きくすると2値画像の黒部分が大きくなり、下限値を小さくすると白部分が大きくなります。下限値を上下させ、検査部分の2値画像の形状が白部分の大きくなり始める値と、黒部分の大きくなり始める値の中間に設定すると安定した動作を行えます。
色合い。赤や青、緑などの色そのものを指します。
島とは2値画像をラベリング処理してできる個々の連結領域のことです。
計測対象の2値画像を質量ある物としたとき、その質量の中心のことです。実際には、各画素位置と総画素数(面積)から重心を求めています。
計測対象を2値化した画像の長手方向と水平方向間の角度です。ただし、円や正方形に近い形状の角度は計測できません。
照度監視は、周囲の照明環境を計測実行時に自動で監視する機能です。計測した照度が警告濃度範囲を超えると、警告メッセージを表示します。
基準画像と入力画像との一致度は、2つのデータ群の関係を演算する正規化相関という情報処理手法の1種を用います。
・相関値を決める要因
濃度が同じ傾向(正の相関)ならば似ており、濃度が逆の傾向(負の相関)ならば似ていないとします。即ち、基準画像と入力画像が似ている部分(両方明るいか、暗い)は正、似ていない部分(片方が明るく、片方が暗い)は負となります。
全く同じ対象物であっても、光源の照度変動や周囲の明るさの微妙な変動の影響により、ターゲット画像と予め登録した基準画像の間で画像データが完全に一致する事は期待できません。
二つの画像データの間の類似性を求める方法として、正規化相関法があります。
正規化相関によるマッチングでは、計測対象領域(計測ウィンドウ)内で基準画像を1画素ずつずらしながらターゲット像との間の相関値を計算し、最大の相関値が得られる位置にターゲット画像が存在するとみなし、その時の一致度を求めます。
2値化画像にも正規化相関法は適用できますが、グレースケール画像(濃淡画像)の場合は2値化画像に比べ情報量が多く(256階調のグレースケールでは2値化方式の256倍)、2値化画像よりも精度や信頼性の高い結果が得られます。
ただし、情報量が多い分だけ相関値の計算処理量が膨大になり、高速に計算できるハードウエアやソフトウエアが求められます。
CCD素子に配列されている画素(ピクセル)間の縦と横のピッチが同じ状態のことです。
このため長さの補正処理が不要となり、精度や処理時間が低下しません。
CCD素子に配列した画素情報の全画素を順次読み出す方式を全画素読み取り方式といい、移動体でも静止画像と同じ高い解像度が得られます。
これに対し、従来のNTSC系のCCDは全画素を奇数・偶数ラインの2回に分けて読み出します。このため移動体では2重写しとなり、奇数ラインだけを画像処理に利用した場合、解像度が悪くなります。
ヒストグラムが濃度値全体に拡がっていない画像を濃度値全体に拡がるように変換し、コントラストを良くする変換方法です。例として下記・のように、濃度値が範囲[a,b]に集中し、範囲[0,a]および[b,Zm]がほとんど使われていない(ヒストグラムが濃度値全体に拡がっていない)画像は、ダイナミックレンジを有効に利用していないコントラストの悪い画像です。この画像を線形変換により、濃度値全体に拡がるよう(右記・)に改善すると、コントラストが良くなります。