X、Y、対向電極につながる3つの端子を持つ。端子間のシリコンの薄膜が、トランジスタの役割を果たす。 スイッチングを行うX電極につながる端子が絶縁層で分離されているため、高速のON/OFFが可能。
構造的には単純マトリックス方式と同様、XとYの2つの電極しかない。2つの端子間に「金属・絶縁層・金属」の構造をもつダイオードをはさむ。ダイオードがトランジスタの代わりにスイッチングを行うが、速度は遅い。
アクティブマトリックス駆動のアクティブ素子には、「TFT」(アモルファスSi-TFT、高温多結晶Si-TFT、低温多結晶Si-TFT:Thin Film Transistor)に代表される「3端子素子」と、「MIM※」(Metal Insulator Metal)に代表される「2端子素子」があります。3端子素子のほうがスイッチング性能には優れています。
ここで駆動方式、液晶のタイプ、アクディブ素子の違いを整理し、それぞれの特長を掲げておきます。表からも判るように、「TFT」を採用した液晶が、性能上もっともすぐれているといえるでしょう。
方式 | 構造 | 特長 | 課題 | 用途 | |
---|---|---|---|---|---|
単純マトリックス駆動方式 | X電極、Y電極を縦横の格子状に並べる | ●構造が単純 ●コストに優れる |
●線数が増えると画質低下 ●中間調応答速度 |
電子手帳、ワープロ、など静止画が中心 | |
アクティブマトリックス駆動方式 | MIM | X、Yの2端子間に絶縁層をはさみスイッチングする | ●画質は単純マトリックスとTFTの中間程度 ●製造面、コスト面でも単純マトリックスとTFTの中間 |
ワープロ、パソコン、テレビなど | |
TFT | X、Y、対向電極の3端子間に半導体をはさみ、スイッチングする | ●線数に関係なく、高コントラストで高画質 ●中間調表示が可能 ●応答速度に優れる |
●コスト面 | テレビ、プロジェクションなど動画が中心 |
駆動方式 | タイプ | 素子 | 表示性能 | 応答速度 (動画対応) |
大画面 | コスト | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
表示容量 (高精細) |
コントラスト | フルカラー | 中間調 | 視野角 | ||||||
デューティ駆動 | TN | − | △ | △ | ○ | △ | △ | ○ | △ | ◎ |
STN | − | ○ | ◎ | △ | ○ | ○ | ○ | ◎ | ○ | |
DSTN | − | ○ | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ○ | ◎ | ○ | |
TSTN | − | ○ | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ○ | ◎ | ○ | |
アクティブ マトリックス駆動 |
TN | TFT | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ |
MIM | ○ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ○ | ○ | ○ |