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2009年11月13日

プラズマクラスター※1技術により、代表的な院内感染菌※2である付着・浮遊「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌※3」の活動抑制効果を実証

シャープは、(学)北里研究所 北里大学北里研究所メディカルセンター病院と共同で、高濃度プラズマクラスターイオンが代表的な院内感染菌である「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(以下MRSA)※3」の活動を、付着および浮遊両状態において抑制することを実証しました。

今回の実験では、高濃度プラズマクラスターイオン(イオン濃度約2万5千個/cm3)が、付着MRSA(シャーレに滴下)の活動を8時間で約99.9%抑制、浮遊MRSA(容積1m3ボックス内に浮遊)の活動を20分で約99.9%抑制することを実証しました。

さらに、同じく院内感染菌である「浮遊多剤耐性緑膿菌(以下MDRP)※4の活動」および「浮遊コクサッキーウイルス※5の感染力」を約99.9%抑制する効果を実証しました(詳細は実証効果一覧表を参照)。

これらの実証により、高濃度プラズマクラスターイオンが、付着MRSAに対して活動抑制効果を示すこと、また、プラズマクラスターイオンの高濃度化により浮遊MRSA・MDRPの活動抑制および浮遊コクサッキーウイルスの感染力抑制効果が高まることが確認されました。

当社はアカデミックマーケティング※6に基づき、2000年より世界の学術研究機関と連携して、プラズマクラスター技術が新型インフルエンザウイルス※7など28種類の有害物質の活動を抑制する効果があることを実証してきました。また、2002年にプラズマクラスターイオンの安全性を確認し※8、2004年には「プラズマクラスターイオンが細菌の表面たんぱく質を破壊するメカニズム」を学術研究機関※9と共同で解明しました。

当社は今後も、健康的な環境を創出するためにプラズマクラスター技術のさらなる進化と実証を進めてまいります。

実証効果一覧表

実証効果一覧表

  • ※1 プラズマクラスター、プラズマクラスターイオンおよびPlasmaclusterはシャープ株式会社の商標です。
  • ※2 医療施設(病院、診療所など)の中や入院中に起こる感染の原因となる、ウイルスや細菌。
  • ※3 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Methicillin-resistant Staphylococcus aureus; MRSA)。病院などで体力の低下した人に感染し、抗生物質が効きにくいことが問題となっている。
  • ※4 多剤耐性緑膿菌(Multidrug-resistant Pseudomonas aeruginosa;MDRP)。病院などで体力の低下した人に感染し、抗生物質が効きにくいことが問題となっている。
  • ※5 コクサッキーウイルス。夏風邪原因ウイルスの一種。
  • ※6 技術の効能について、先端の学術研究機関と共同で科学的データを検証し、それをもとに商品化を進めるマーケティング手法。
  • ※7 2009年にメキシコ・米国で確認されて以来、世界中でパンデミックを引き起こしている新型H1N1インフルエンザウイルス。
  • ※8 三菱化学メディエンス(株)にて試験。(2009年現在、吸入毒性、眼および皮膚刺激性・腐食性について検証済み。)
  • ※9 (独)アーヘン応用科学大学アートマン教授と共同研究。

付着「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)」への効果実証方法

高濃度プラズマクラスターイオン発生デバイスを用いて、イオン(濃度約2万5千個/cm3)を発生させ、付着MRSA(プラスチック製シャーレに菌液を滴下)に一定時間照射しました。

8時間照射後付着MRSAを回収し、その菌数を細菌研究分野で一般的に用いられている培養法※10で調べました。その結果、菌数はイオン照射なしの自然放置の場合と比較して、約99.9%減少しました。

付着「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)」への効果実証方法
  • ※10 培養法:細菌を培地に接種して培養により菌数(CFU)を調べる方法。CFUは、生きている菌の個数を示す単位。
  • ※11 自然放置した状態の菌に対して、プラズマクラスターイオン照射による菌数の低下を減少率として記載。

浮遊「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)」、「多剤耐性緑膿菌(MDRP)」および「コクサッキーウイルス」への効果実証方法

容積1m3のボックス内に高濃度プラズマクラスターイオン発生デバイスを設置。イオン(濃度約2万5千および7千個/cm3) を発生させ、MRSA、MDRP、またはコクサッキーウイルスをボックス内にミスト状(粒径分布1μm以上10μm以下)に噴霧しました。所定の時間後、ボックス内の浮遊細菌もしくはウイルスを回収し、菌の場合はその菌数を培養法で、ウイルスの場合は感染力(感染力価)をウイルス研究分野で一般的に用いられているTCID50法※12で調べました。その結果、イオン濃度が高くなるほど浮遊MRSA・MDRPの活動抑制および浮遊コクサッキーウイルスの感染力抑制効果が高まることが確認されました。

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  • ※12 TCID50法:段階的に希釈したウイルス液を細胞へ接種し感染力を調べる方法。TCID50は、感染力を示す単位。

プラズマクラスター技術の有害物質活動抑制効果実証一覧

  種類 実証機関
細菌 セラチア菌 米国 ハーバード大学公衆衛生大学院 
メルビン・ファースト名誉教授
大腸菌 (財) 石川県予防医学協会
大腸菌、白色ブドウ球菌、カンジダ菌 中国 上海市予防医学研究院
バチルス菌 (財) 北里環境科学センター
CT&T(ドイツ アーヘン応用科学大学 アートマン教授)
MRSA 
(メチシリン耐性 
黄色ブドウ球菌)
(財) 北里環境科学センター
(学) 北里研究所 北里大学北里研究所メディカルセンター病院
MDRP 
(多剤耐性緑膿菌)
(学) 北里研究所 北里大学北里研究所メディカルセンター病院
シュードモナス、 
エンテロコッカス、 
スタフィロコッカス
ドイツ リューベック医科大学
エンテロコッカス、 
スタフィロコッカス、 
サルキナ、 
マイクロコッカス
CT&T(ドイツ アーヘン応用科学大学 アートマン教授)
アレルゲン ダニ、花粉 広島大学大学院 先端物質科学研究科
ダニ 大阪市立大学大学院 医学研究科 分子病態学教室
真菌 クラドスポリウム (財) 石川県予防医学協会
ドイツ リューベック医科大学(増殖抑制効果)
CT&T(ドイツ アーヘン応用科学大学 アートマン教授)
ペニシリアム、 
アスペルギルス
ドイツ リューベック医科大学(増殖抑制効果)
アスペルギルス、 
ペニシリアム(2種)、 
スタキボトリス、 
アルテルナリア、 
ムーコル
CT&T(ドイツ アーヘン応用科学大学 アートマン教授)
ウイルス H1N1型ヒト 
インフルエンザウイルス
(財) 北里環境科学センター
韓国 ソウル大学
中国 上海市予防医学研究院
(学) 北里研究所 北里大学北里研究所メディカルセンター病院
H5N1型トリ 
インフルエンザウイルス
英国 レトロスクリーン・バイロロジー社
新型H1N1 
インフルエンザウイルス
英国 レトロスクリーン・バイロロジー社
SARSウイルス 英国 レトロスクリーン・バイロロジー社
ポリオウイルス (財) 北里環境科学センター
コクサッキーウイルス (財) 北里環境科学センター
(学) 北里研究所 北里大学北里研究所メディカルセンター病院
コロナウイルス (学) 北里研究所 北里大学北里研究所メディカルセンター病院
  • 上記有害物質に対して、濃度3千個/cm3以上のプラズマクラスターイオンを照射して活動抑制効果を実証しました。

プラズマクラスター技術について

プラスイオン(H(H2O)n)とマイナスイオン(O2(H2O)m)を同時に空中へ放出し、浮遊する細菌/カビ/ウイルス/アレルゲンなどの表面で瞬間的にプラスとマイナスが結合して酸化力の非常に高いOHラジカルとなり、化学反応により細菌などの表面のたんぱく質を分解して、その働きを抑制する独自の空気浄化技術です。

プラズマクラスター技術について

酸化力の比較

プラズマクラスターイオンは、プラスとマイナスのイオンが浮遊ウイルスや菌に付着して化学反応し、酸化力の一番強いOH(水酸基)ラジカル(標準酸化電位2.81V)を生成して、浮遊ウイルスの感染力や菌の活動を抑制します。

酸化力の比較

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