国内唯一の国立体育大学として、トップアスリートたちを続々と輩出している
鹿屋体育大学。
中でも伝統ある水泳部からは、オリンピックの金メダリストも誕生しています。
今回はこの水泳部にご協力いただきながら、
プラズマクラスター技術がもたらす
アスリートのパフォーマンス向上
に関して検証しました。
その感想を、同大学の萩原准教授に
お聞きしました。
国立大学法人鹿屋体育大学 スポーツ・人文応用社会科学系 准教授萩原 悟一 氏
米国アーカンソー州立大学大学院修了(M.S. Sports Administration)、九州工業大学大学院生命体工学研究科脳情報専攻短縮修了(博士[学術])。九州工業大学大学院研究員、日本経済大学経済学部講師を経て現職。専門はスポーツマネジメント、スポーツ行動科学。日本スポーツ産業学会学会賞、スポーツ庁長官賞などの受賞歴。
例えば、酸素を薄くすることで呼吸器系を鍛える高地トレーニングや、高濃度酸素を使った疲労回復の促進など。もっともベーシックな部分でいうと、よりよい空気環境の中でトレーニングすることは、アスリートの健康状態を維持するうえでとても大切です。
マイナスイオンも疲労回復に効果があるとされていますが、プラズマクラスターはマイナスとプラスの両方のイオンを持っています。それがアスリートたちにどのような効果を与えてくれるのか、非常に楽しみな試験でした。
試験結果を見て驚きました。プラズマクラスターイオンを放出させている空間では、部員たちがとてもいいコンディションをキープして、効果的なトレーニングを持続できています。さらに脳波の試験データから、感情にも影響を与えていることが示唆されました。
現在当部では、プラズマクラスターイオンを放出した状態でトレーニングすることが当たり前になりつつあります。部員たちからは、「トレーニング効果が出てきている気がする」「プラズマクラスターがあると安心してトレーニングに励める」といった声が挙がっています。
試験を重ねてこの効果が揺るぎないものとなれば、プラズマクラスター技術が全国のトレーニングルームやフィットネスクラブに広がっていくのではないでしょうか。
またメンタルにもいい影響を与えるとなると、eスポーツ分野での活用にもかなり期待できます。
アスリートが実感する商品は、一般消費者の方々にも浸透しやすい傾向にあります。例えば、よく眠れるベッドとか、機能性のあるウェアとか。
その観点からも、今回のようなスポーツ科学を通した研究や試験は、一般消費者の方々に分かりやすく届くのではないでしょうか。
トレーニング室において、プラズマクラスターイオンを放出させた日と放出させない日をランダムに設けます。その環境下で、アスリートである被験者に高強度インターバルトレーニング(HIIT※1)を行ってもらいました。
試験では、主観的・客観的感情の変化量の評価と、トレーニング負荷量の測定を実施。なお、被験者にはプラズマクラスターイオンあり・なしの日が分からないようにしました。
※1 HIIT: High-Intensity Interval Training
※2 RPE: Rate of Perceived Exertion
被験者が、トレーニング中に
どのように感じているのかを分析
■二次元気分尺度
被験者による心理状態(気分)のセルフモニタリングを通して、心の活性度と安定度を測定。測定結果を、[快適度]と[覚醒度]を2軸とする「二次元グラフ」に示すことで、さまざまな場面における心理状態の特徴とその変化を視覚的に理解することが可能。心理的なコンディションを快適な状態に調整することに役立つ。
活性度:快適な興奮と不快な沈静を両極とする心理状態(どの程度イキイキした気分で取り組んでいるか)を表す。
覚醒度:興奮と沈静を両極とする心理状態の総合的な覚醒水準(どの程度興奮して活発な気分で取り組んでいるか)を表す。
快適度:快と不快を両極とする心理状態の総合的な快適水準(どの程度快適で明るい気分で取り組んでいるか)を表す。
プラズマクラスターイオンの環境下でトレーニングした方が、より前向きに気持ちが乗った状態でエネルギッシュにトレーニングができたと被験者自身が感じているという結果が得られました。
■主観的運動強度
運動時の主観的負担度を数値化。数値が高いほど、主観的にきついトレーニングができたと判断する。
プラズマクラスターイオンの環境下でトレーニングした方が、強度のより高いトレーニングができたと被験者自身が感じているという結果が得られました。
脳波計を用いて試験中の脳波を測定し、被験者の主観に左右されない客観的な事実を分析。
■脳波
[活性度]は、数値が高いほど脳が活性化し冴えている状態を示す。また[疲労感]は数値が高いほど脳が疲労感を感じている状態を示す。
プラズマクラスターイオンの環境下でトレーニングした方が、被験者自身が感じるだけでなく、脳波の測定結果からもより元気でイキイキした状態で疲労感も少なくトレーニングできていることが示唆されました。
被験者にトレーニング機器を用いて一定の負荷をかけ、どれだけトレーニングできたかを分析
■トレーニング課題①の平均値とトレーニング課題②の最大値
数値が高いほど、よりトレーニングできたと判断。
■ 各グラフについて=** p <.01, * p <.05, † <.10
プラズマクラスターイオンの環境下でトレーニングした方が、同じ時間でより多くのトレーニングができることが示唆されました。
主観的・客観的感情の活性度とトレーニング負荷量のMAX値において、有意差を確認しました。さらに、主観的運動強度において高い傾向を確認しました。
これにより、ポジティブに効率的な運動トレーニングを実施できていると考えられます。また、客観的感情の疲労度が軽減傾向にあり、トレーニング中の疲労が軽減できていると考えられます。
以上のことから、プラズマクラスターイオンの環境下でのアスリートに対する運動トレーニング効率の向上が示されました。
スポーツ科学の領域は広く、生理学、栄養学、医学、心理学、哲学、経営学、歴史・文化学などなど、その目線は多彩です。日進月歩の勢いでアップデートされていく日本の高い研究成果は、毎年のように更新される日本記録や、世界と肩を並べる競技者の誕生でも分かります。
しかしこのスポーツ科学は、トップアスリートたちを支えるためだけのものではありません。スポーツをすること・見ることの楽しさを広げたり、ひとりひとりのライフステージにあった健康維持や体力の向上を図ったりなど、それらはすべて、「豊かに、健やかに生きる」ことにつながっています。
プラズマクラスター技術を今後さらに広くスポーツ科学の分野へと応用するために、今回の結果に対する作用メカニズムの解明も行っていきます。