クローズアップ

プラズマクラスター技術の効果として、
[ストレスの抑制][集中の維持]
が実証されています。
これを自動車運転にも活かせないかー。
そう考えて取り組んだのが、今回の効果検証試験です。
試験には、株式会社リトルソフトウェア様にご協力いただきました。

脳波で見るストレスと
集中

川原 伊織里氏の写真

株式会社リトルソフトウェア代表取締役CEO川原 伊織里

米国の大学にて応用物理博士号前期終了後、大手機械メーカー研究所勤務を経て渡独。
帰国後、ソフトウェア開発会社に勤務後、独立法人研究所や大学医学部にて脳波の波形研究に携わる。2014年株式会社リトルソフトウェアを設立。現在に至る。

川原 氏に聞く、「脳波って何ですか?」

人間の大脳皮質には、おおよそ140億の神経細胞が存在すると言われています。神経細胞からは、体中の情報や命令を伝え合うための電気が発生しています。その電気信号を記録(計測)したものが「脳波」です。脳波にはリラックス状態に出るアルファ波、意識や警戒している状態に出るベータ波などがありますが、これらをもっと詳細に分析していくとさまざまな感情の有り様とその変化が可視化できます。

イラスト01

「自動車運転中の脳は、どうなっていますか?」

脳が覚醒した状態(車で例えると加速させているイメージ)を維持しながら、継続的に強い電気を発しています。安全運転にむけた数多の注意と警戒をもって、意識的に集中を維持させようと脳がフル回転している状態です。この無理が長時間続くと、脳が疲れてストレスが生じ、イライラや不快感などネガティブな感情が生まれやすくなります。結果、脳の覚醒水準が低下して集中度が弱まるわけです。

イラスト02

「プラズマクラスターイオンを放出しながらの運転は?」

ドライバーの脳が自然に覚醒していることが分かりました。意識的に、頑張って脳を覚醒させていない。これがまず、疲労からくるストレス抑制の大きなポイントです。ネガティブな感情も出にくくなっていました。さらに、運転中は脳が覚醒した状態を維持し、無理なく集中が維持できていました。
結論をまとめますと、脳を自然に覚醒させて、ストレスをかけずに無理なく集中を維持する効果がプラズマクラスター技術にあるということです。

イラスト02

「ストレス抑制と集中維持の効果で、期待できる未来は?」

オフィスや教育現場への導入がすぐにでも実現できそうです。また、この効果なら危険作業時や認知力維持のための製品も考えられます。さらに、日々のストレスにより、不安に感じたり落ち込んだ気分になってしまう方も多くいらっしゃいますが、私は今回の結果で、そうしたネガティブな感情が出にくいことにも注目しています。なぜかというと、実は気持ちがふさいでいくと免疫力が低下し、体調不良につながることも考えられるのです。私どもはシャープさんとともに、ポジティブな感性を維持するという観点でも人々の健康維持に貢献できればと考えています。

プラズマクラスター技術
効果検証試験

試験で使用したのは、脳波計と人間の五感から感性認識するアプリを用いた「感性システム」。これは、ドライバーの脳波や心拍などの測定データをもとに、「集中」や「疲労」、「ストレス」など56カテゴリーもの感性をリアルタイムで可視化できるものです。
このシステムを使った計測データを解析しながら、車内空間にプラズマクラスターイオンを放出した場合・放出しない場合で状態変化を比較します。

試験内容

被験者
20代~50代の男女51名
試験空間
約3.6m3車内空間
試験機
プラズマクラスター技術搭載試験機
機器条件
プラズマクラスターイオンあり/送風のみ
試験期間
2019年9月17日~2019年12月13日
試験方法
二重盲検法:被験者も分析者もプラズマクラスターイオンの有無が分からないよう実施する方法。
・脳波計を装着し、一般道および高速道路を約90分間、間に10分間の休憩を挟みながら走行。
・試験機は被験者に向け、走行はプラズマクラスターイオンを放出させた日と送風のみの日の2日間。
・それぞれの脳波データを分析、比較。
走行距離
往復約75km(一般道約7km/高速道路約68km)
走行時間
往復約90分
走行区間の地図

試験手順

車内の配置車内の配置(縦組み)

試験結果

以下解析データにより、プラズマクラスターイオンを放出した場合はストレスが抑制され、集中が維持できていることを実証しました。

■ストレス度合い※1の比較

車内の配置

■集中度合い※2の比較

車内の配置

■ 精神的ストレスの予防・治療などの効果を保証するものではありません。

■ 今回の試験結果には個人差があります。環境によっても異なります。

統計学的に有意な差を確認。( p < 0.05 )

※1 運転中の疲労感によるストレス度合い。

※2 運転中の集中度合い。

快適なドライビングを
サポート

自動車運転中は、さまざまな要因からストレスを受けます。ストレスが蓄積されていくとイライラや焦りがつのり、自動車運転に対する集中力や安全走行への注意力が散漫になりがちに。それが原因で、交通トラブルやヒューマンエラーにつながることも多いようです。
これらを解消するために、自動運転技術やIoTによるスマート化がめざましく進化していますが、今のところ人による操作が介在します。

イラスト03

自動車はこれまでの【移動手段】という概念を飛び越えて、くつろぎやリラックス感を兼ね備えた【移動空間】へと移行していくことが予想されます。
自動車が新しい価値を創造しようとしているいま、そのさらなる快適走行、運転のしやすさや快適空間づくりに向けて、プラズマクラスター技術が貢献できる可能性が示唆された今回の試験です。

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