傾斜畑跡地の法面に722kWの太陽光発電所を建設
小高い山の中腹に建設された、「株式会社ニッカン 太陽光発電システム」。社長ご夫妻が余暇を利用して耕された、傾斜畑の跡地に建つ太陽光発電所です。「愛着のある土地を有効活用しながら、何か役に立つことをしたい」。そんな思いからプロジェクトが始動したものの、建設予定地は、勾配も向きもさまざまな法面。一般的に太陽光パネルは屋根の上や平地などへの設置がほとんどで、パネル取り付け架台も平らな場所を想定したものばかり。そのため実際の設計・施工には、大きな困難が伴いました。
敷地面積から試算して、当初はメガソーラーを希望されていたお客様。しかしながら、メガソーラーを実現するには、大規模な造成工事で法面を整地し、大掛かりな架台を組んで、一面にパネルを敷き詰める必要があり、莫大なコストがかかります。費用対効果を最優先に打ち合わせを重ねた結果、法面をそのまま活かして、大小さまざまな太陽電池アレイをいくつも設置する方法を選択。「少しでも容量を増やしたい」というお客様の要望に応えるため、わずかなスペースにもパネルを敷き詰めることで、722kWものシステムを実現しました。
2012年12月、建設工事がスタート。固定価格買取制度施行にともなうメガソーラー建設ラッシュの影響から、コスト削減と工期短縮を考え、土木工事や基礎工事などは、知り合いの工事業者に依頼され、お客様ご自身で施工されました。シャープは架台とパネルの取り付け工事などを担うというチームプレーで、税制優遇措置を受けるための期限である、2013年3月末になんとか竣工。南向き30度という理想的な条件を満たせない山間の法面でも、工夫次第で太陽光発電所の建設が可能であることを示す、画期的なケースとなりました。