古川武士 特別コラム「英語学習」継続の秘訣

特別コラムでは、英語学習を続けるためのノウハウをご紹介します。
学習を「習慣化」するに当たって、なぜ続かないのか、続けるためにどうすればいいのか、ベースとなる英単語の学習を習慣化するためにどうすればいいかをお話していきたいと思います。

関西大学卒業後、日立製作所などを経て2006年に人材育成会社を設立。
コーチング・心理学を専門にこれまで企業研修・講演を通じて2万人以上の育成に携わってきた。また、個人コンサルティングとしては経営者から若手ビジネスパーソン、主婦まで幅広く200名以上を支援している。
多くの育成現場で痛感したことは、人が本当に変わっていくためにはよい習慣を確実に身につける「続ける習慣」が重要と考え、オリジナルの習慣化理論とメソッドを開発。
独自メソッドを元に、企業研修、個人向けセミナー、コンサルティングを行っている。習慣化メソッドの内容は処女作『30日で人生を変える「続ける習慣」』にまとめて出版。累計4万部を突破し、海外でも翻訳された。
著書に「続ける習慣」(現在4万部突破、韓国・台湾で翻訳)「やめる習慣」「すぐやる習慣」など計7冊で15万部を超えている。メディア掲載実績として、朝日新聞、日経ビジネス、日経ウーマン、OZPLUS、プレジデント、プレジデントファミリー、「企業と人材」等がある。

contents

  • なぜ続かないのか?
  • 続ける習慣メソッド
  • 英単語学習の習慣化

続ける習慣メソッド

学習を続けるためにはコツがあります。そのノウハウ「続ける習慣メソッド」をご紹介します。

続ける習慣メソッドの全体像
  反発期 不安定期 倦怠期
期間 1日~7日 8日~21日 22日~30日
症状 辞めたくなる 振り回される マンネリ化する
挫折率 42% 40% 18%
方針 とにかく続ける 仕組みをつくる 変化をつける
対策 1.ベビーステップで始める
2.シンプルに記録する
1.パターン化する
2.例外ルールを設ける
3.継続スイッチをセットする
1.変化をつける
2.次の習慣を計画する
フェーズ1.反発期(やめたくなる)

スタートから7日目までを反発期と呼んでおり、習慣引力の抵抗が最も強くやめたくなる時期です。
習慣化に挑戦する人のうち42%の方がこの時期に挫折しています。
ですから、多くの方から「最初の1-3日だけはやったんですけどね…」「なかなか時間がなくて」といったあきらめの声を聞いてきました。
裏を返せば、反発期を上手に乗り切れば、4割は成功したようなものです。
では反発期を乗り越えるにはどうすればいいのでしょうか。
「とにかく続ける」ことだけに力点を置いてください。毎日どんなことがあっても行動を絶やさないことだけに集中していきましょう。
そこで、反発期の対策は2つあります。

対策1.ベビーステップで始める

ベビーステップとは、赤ちゃんの一歩という意味で、「小さく始めましょう」ということです。
何をやっても続かないときは、「完璧にやるか全くやらない」の2つに1つでしか考えられなくなっているケースが多々あります。

極端な話、英語の勉強をするのに何もしないよりは、本を開いて1行読むだけでもいいので、どんなに小さくても、行動しないよりは行動するほうが習慣化するには効果的なのです。

ベビーステップ行動を決めるときの方法を2つご紹介します。
 1つは時間を短くすることです。たとえば、片付けを例に取ると、15分だけ片づける、勉強の場合は10分だけ勉強するといった具合です。
 2つ目は難易度を下げることです。たとえば、1つの部屋だけ片づける、本を1ページだけ読むなどです。
まずは、ベビーステップで7日間続けてください。ベビーステップの行動が小さすぎて「物足りない」「もっとできる」というぐらいでちょうどいいのです。最初はスロースタートを切るのが最も成功確率を高めるコツです。
7日目を過ぎると、驚くほど続けることへの抵抗感が少なくなっているのを感じるでしょう。

対策2.シンプルに記録する

反発期の対策の2つめはシンプルに記録することです。
記録する効果は、自分の行動を「見える化」することで続けることへのやる気が上がること、行動を自己管理できることにあります。
 記録するというと多くの方が「面倒くさい」と思われますが、シンプルで簡単なものにすれば楽しく、楽に続けることができます。
 例えば英語の学習であれば、毎日勉強したかどうかをカレンダーに○か×で記入し、あとは学習ページ番号をつけるくらいにとどめることです。
まずはどこに記録するか、どう記録するかを考えてみてください。

フェーズ2.不安定期(振り回される)

反発期を過ぎた8日目~21日目までを不安定期と呼んでおり、急な予定や体調の変化などに振り回され挫折しやすい時期です。
不安定期の挫折率は40%で反発期同様、挫折率が高い時期となります。
反発期はベビーステップでハードルを下げて続けてきましたが、不安定期はハードルを上げてください。
たとえば、「1日30分英語の勉強をする」ことが習慣化の目標であったら、不安定期はこの行動を続けるようにします。
 そこで問題となるのが、急な予定(友人の誘い、会社の残業など)や変化(体調が悪い、やる気がどうしても湧かないなど)で、目標の時間が取れなくて何もしない日が続くことです。この問題を上手にクリアするための不安定期は「続ける仕組みをつくる」ことを目指してください。
 具体的には、パターン化する、例外ルールをつくる、継続スイッチをセットするという3つの方法があります。1つずつご説明していきましょう。

対策1.パターン化する

パターン化とは「あなたが身につけたい習慣を一定パターン(時間・やり方・場所)で実行する」ことです。
 私たちは、知らず知らずのうちに、いくつもの習慣を身につけています。起きる時間や通勤・通学の時間等同じパターンで繰り返すうちに、多くの行動を無意識のうちに繰り返すことができています。
このように習慣化するためには、一定パターンで続けるのがとても効果的なのです。
たとえば、英語の勉強なら「英単語を通勤電車の30分で勉強する」「英単語を学校に早めに着いて20分覚える」。このように決めて癖づけるだけで忙しい毎日の中でもその行動を忘れないで済みます。また、パターン化することで体に覚えさせることができます。
 あなたの習慣をパターン化するのに最適な時間や方法は何でしょうか。是非、試しながら見つけていってください。

対策2.例外ルールを設ける

たとえば、パターン化をして「英語を21時から1時間勉強する」と決めたとしても、友人との食事で帰宅が遅くなった日はやる気が湧いてきません。そして誘惑がやってきます。「今日ぐらいやらなくてもいいか。明日がんばろう」。
しかし、これが挫折の道に突入するきっかけになります。翌日は家族からの長電話で何もできず、その翌日は寝不足でやる気がしない。ついに、「あー、やっぱり続かない」とあきらめてしまうのです。
 このように急な予定や決めたとおりに行動できない場合に有効なのが、「例外ルールを設けること」です。
イレギュラーな用事が入ったり、やる気がしないときに何をするかを決めておくのです。
一番わかりやすい方法は反発期に決めた「ベビーステップ」をそのまま例外ルールにすることです。
たとえば、23時に帰宅したら誰でも勉強する気力はありません。それならば例外ルールとして、「帰りの電車で英語の本を1ページ読む」と決めてみましょう。それで自分にOKを出してあげるのです。それだけで、「今日もクリアした!!」と達成感があり、自分を責めることはなくなります。
 とにかく、どれだけ罪悪感をなくし達成感を味わえるかがポイントです。例外ルールは自分を甘やかすというより、日々の生活の変化に合わせて行動できるよう計画に柔軟性を持たせるためにあります。
 まずは、急な予定・体調の変化など、あなたにとって例外ルールが必要なケースを想像して、例外ルールを決めましょう。とにかく、毎日小さくてもいいから続けること。

「パターン化+例外ルール」であなたの続ける仕組みの70%は完了しました。
最後に「続けるためのやる気を上げる」方法をご紹介します。

対策3.継続スイッチをセットする

続く人は自分のやる気を上げるコツをよく知っています。 たとえば、英語の勉強をするときに終わったらチョコを食べるなど様々です。 人それぞれツボが違いますし、また続けたい習慣によっても変わってくるものです。そこで、続ける人がどんなやる気の上げ方をしているのか、12のツボ(継続スイッチ)を纏めてみました。 自分に合うのはどれか、チェックしながら読んでみてください。

  • スイッチ1 ご褒美
    【ご褒美パワーで目先の困難を乗り越える】
     例)週に1回大好きな洋画を見て学習する
  • スイッチ2 ほめられ上手
    【ほめられる環境を作り、やる気を上げる】
     例)SNSで学習状況を発表してみんなから「凄いね!」と言ってもらう
  • スイッチ3 遊び心
    【遊び心で行動を楽しくし、自分のテンションを上げる】
     例)学習が出来たら、カレンダーに特別なマークを貼る
  • スイッチ4 理想モデル
    【理想のモデルを設定し、今の自分を一段レベルアップさせる】
     例)スピーキングのモデルとして、オバマ大統領の演説を真似する
  • スイッチ5 儀式
    【小さな儀式を行うことで、ダルく辛い気持ちを吹き飛ばす】
     例)英語学習をする前には気合いを入れるために5分間机を片付ける
  • スイッチ6 悪魔払い
    【行動を妨げる障害を取り除き、負担を軽くする】
     例)眠気を飛ばすために、ガムを噛みながら学習する
  • スイッチ7 損得感情
    【お金を投資し、挫折すると損する環境を整える】
     例)高機能の電子辞書を自分のお金で買い、回収意欲を高める
  • スイッチ8 習慣ともだち
    【習慣ともだちを作ることで甘えを許さない】
     例)英語学習と目標を共有できる友達をつくる
  • スイッチ9 みんなに宣言
    【みんなに宣言し、あとに引けない状態を作る】
     例)友人にTOEICR800点を目指すと宣言する
  • スイッチ10 罰ゲーム
    【罰ゲームで、日々の辛さ・言い訳・甘えを撃退する】
     例)学習が出来なかった日は、腕立て30回する
  • スイッチ11 目標設定
    【目標を設定して達成意欲を引き出す】
     例)1年後、TOEICRを200点アップすると決めて、机の前に貼る
  • スイッチ12 強制力
    【他人との約束を交わし、やるしかない状況に追い込む】
     例)英語のパーソナルレッスンの予定を入れる
フェーズ3.倦怠期(あきてくる)

最後のステップは倦怠期で、マンネリ化を感じやすい時期です。
つまり続けることに飽きてくるのです。徐々に続けることへの意味を感じなくなったり、物足りなくなったりして、「意味ないかも」「つまらないなあ」「飽きてきた」という言い訳が出てきやすい時期です。しかしこの言い訳に負けないでください。これらの言い訳やマンネリ化は、実は習慣引力の最後の抵抗なのです。
いよいよ習慣化するぞというこのタイミングで、習慣引力が最後の抵抗をしてやめさせようとしているのです。このマンネリ化を乗り越えれば習慣化します。最後の倦怠期を上手に乗り越えましょう。
 倦怠期の大きなテーマは「変化をつける」ことで、対策は2つです。

対策1.変化をつける

同じことを続けていると、その単調さから徐々に飽きてきて、辞めてしまいたくなります。
 そんなときは、小さな変化を持ち込むことをお勧めします。
英語の勉強であれば、勉強する場所を変える(自宅からカフェへ)、教材を英語テキストから好きな洋書に変えるなどもいいでしょう。
但し、パターン化されたスタート時間や方法はむやみに変えないようにしてください。折角一定パターンが身につきつつあるので台無しになってしまいかねません。場所を変えたりすることでマンネリ化を防ぐ工夫を考えてみてください。

対策2.次の習慣プランを用意する

次に習慣化したいテーマのプランをつくってください。  最後の倦怠期で次の習慣化プランをつくっておくことで、今の習慣はあくまで通過点に過ぎなくなり、「さあこれを乗り切って次に行こう」と不思議とやる気が湧いてくるものです。

続けることで英語力はアップする

 英語の学習内容には5つあります。英単語暗記、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングです。
 おすすめは、1ヶ月に1つずつ、習慣化していくことです。
 その際、習慣化の場面を移動時間と机上学習の2つ設定します。移動学習時間に、単語学習、リスニング、リーディング、集中学習(机上学習)にライティングとスピーキングを行うことをお勧めします。そしてこの2つの場面は、別々に習慣化してください。
 例えば、1ヶ月目は移動学習として、電車の中で40分学習する、2ヶ月目は集中学習として、出社前・通学前に30分自宅で学習すると言った具合です。
 移動学習のメリットは、新しい学習時間を捻出せずに学習ができること、デメリットはライティングやスピーキングがしにくいことです。
 一方、集中学習のメリットは、移動学習のデメリットを補ってくれることですが、デメリットは新しい時間を捻出する必要があることです。

 移動学習と集中学習の2つを習慣化することで、あなたの英語学習の習慣化は完了です。そこで何を集中的に学ぶかは、目的・目標に応じて変えてみてください。

ここまでは総論でしたが、次に、最も挫折しがちな英単語学習の習慣化のコツを「続ける習慣メソッド」に当てはめてご紹介したいと思います。

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