光半導体 技術情報

ソリッドステートリレー

概要

SSR(Solid State Relay)と呼ばれることが多い。制御入力(電圧または、電流を加える)によって、電源を高速にON/OFFする半導体の無接点リレーです。
つまり、電流を流して動作させる負荷(モータ等)を光でON/OFFさせる無接点リレーです。
SSRは、交流電流を制御するために開発されたデバイスです。
一般的には、フォトトライアックカプラ+トライアックと言う組み合わせになります。
ただし、小型のSSRは赤外発光ダイオード+フォトトライアックと言う組み合わせになります。

SSR 基本構成図

特長(メカリレーと比較して)

ON/OFFの繰り返し回数の多い用途に適している。

項目 SSR メカリレー
寿命長い(無接点)短い
動作音なしあり
応答速度速い遅い
位相制御可能(非ゼロクロスタイプ)不可
ゼロクロス
機能
可能(ゼロクロスタイプ)なし
駆動電力小さい大きい
直流制御不可可能

用途

ヒータ/ファン/ランプのON/OFF制御

各種家電製品のモータ回転数制御等


用語の説明

用語 解説
実効オン電流
(IT
「ON」時に流れる電流の実効値。交流の最大振幅の値(ピーク電流)ではなく、平均値的な値である実効値でSSRの能力を表します。
図:実効オン電圧(IT)
繰り返し
ピークオフ
電圧(VDRM
絶対最大定格で規定される、出力端子間に連続して加えることのできる繰り返し性のある電圧の最大値。
すなわち、SSRを誤動作や破壊せずに済む交流電圧の最大値(耐圧)です。
電源電圧の変動やサージ電圧などを考慮して、交流電源電圧の3倍程度を目安に部品を選びます。
ゼロクロス
電圧(VOX
ゼロクロス回路内蔵SSRにおいて、この電圧より高い電圧が出力端子にかかっている時にはSSRはOFF→ONできません。
この電圧値以下になるとSSRをOFF→ONします。
図:ゼロクロス電圧
位相制御 ゼロクロス回路を内蔵していないタイプのSSRで可能です。
パルス入力信号のタイミングを変化させることで、出力側の電流を無段階に調整できます。
メカリレーではできない、きめ細かい電力制御が可能です。
保持電流
(IH
規定の条件のもとでSSRのON状態を保つために必要な最小のオン電流値。
この値より電流が小さくなると、SSRはOFFとなります。
最小トリガ
電流(IFT
指定された条件で、SSRをOFF状態からON状態へ移行させるのに必要な最小の入力電流値。
また、この最小トリガ電流は使用温度、長期間の連続使用による経年変化などの影響をうけるので回路設計の際は考慮の必要があります。
ターンオン
時間(tON
入力電流が入ってからSSRの出力がONするまでの遅れ時間。