シャープは、財団法人 鳥取県動物臨床医学研究所※3(理事長:山根義久、所長:高島一昭)と共同で、高濃度プラズマクラスターイオン(イオン濃度2万5千個/cm3)が、動物病院内で、浮遊菌及びペット臭の主な原因であるアンモニア臭を低減させることを実証しました。
また、両者は、高濃度プラズマクラスターイオン(イオン濃度2万5千個/cm3)が、浮遊イヌパルボウイルスの感染力を抑制することを1m3の空間で実証しました。(試験委託先:株式会社食環境衛生研究所※4)
これらの検証により、高濃度プラズマクラスターイオンが、ペットはもちろん、一緒に暮らす家族の衛生的で快適な生活環境への改善に貢献できることが明らかになりました。
本内容は、2010年11月19日から開催の第31回動物臨床医学会年次大会で発表する予定です。
当社は、アカデミックマーケティング※5に基づき、2000年より世界の学術研究機関と連携して、プラズマクラスター技術がウイルス・菌・アレルゲンなど29種類の有害物質の活動を抑制する効果があることを実証するとともに、安全性を確認※6しています。今回、初めてペットケアの観点から多角的な効果実証を行い、プラズマクラスターイオンの技術的価値がさらに高まりました。
今後も健康的な生活環境づくりに向け、プラズマクラスター技術のさらなる進化と実証を進めてまいります。
今回、実際に犬を飼育する空間(動物病院内)で試験を行い、浮遊菌やニオイ低減効果を確認しました。今後、動物病院の手術室や診察室、室内でのペット飼育といった様々な場所での環境改善、またペットの飼い主の衛生や快適性にプラズマクラスター技術が応用できると期待できます。 さらに、私共動物医療従事者の間で非常に恐れられているイヌパルボウイルスの感染力抑制も確認できたことから、犬の命を守ることはもちろん、感染拡大から動物医療機関の安全を確保するのにも役立てられると考えられます。
床面積8.8m2の試験室の中央に2段のケージ※7を設置。各段にビーグル犬を1頭ずつ入れ、ケージを挟み込むように向かい合わせにイオン発生装置を壁際に設置(図1、3)。
<評価項目>
空気中に浮遊する菌数(エアーサンプラー※8により採取した菌を計数)
<試験方法>
12日間、2~3日毎にイオンあり/なしを切り替え、各状態における浮遊菌数の増減を比較。
<試験結果>
イオンあり(イオン濃度2万5千個/cm3)の場合はイオンなしの場合と比べ菌数が低減(図2)。イオンありの場合は、浮遊菌数はいずれも一般手術室レベルとされるNASA規格※9のクラス10000(浮遊菌数17.7CFU/m3以下)を達成。
<評価項目>
空気中のアンモニア濃度(ガス検知管※10により測定)
<試験方法>
イオンなしの状態からイオンあり(イオン濃度2万5千個/cm3)の状態に切り替え、アンモニア濃度の変化を観察。
<試験結果>
イオンなしの状態でアンモニア濃度は2.25ppm。イオン発生開始後徐々に減少し、29日後には0.56ppmまで減少し、さらに、37日後には0.34ppmまで減少した(図4)。これは6段階臭気強度表示法※11の臭気強度3「楽に感知できるニオイ」に相当するレベルから臭気強度2「何のニオイであるかがわかる弱いニオイ」に相当するレベル未満へ低減されたことを意味する。
<評価項目>
イヌパルボウイルスの感染力(TCID50法※12による)
<試験環境>
容積1m3のボックス内に高濃度プラズマクラスターイオン発生デバイスを設置し、イオン(イオン濃度2万5千個/cm3)を発生。
<試験方法>
ボックス内にイヌパルボウイルスを噴霧し、5分間イオンを発生させた場合のウイルスの感染力をイオンあり/なしで比較。
<試験結果>
イオンありの場合、イオンなしの場合と比較して感染力が99.8%以上抑制された
平成3年4月1日に設立。獣医学に関する臨床的研究はもとより、獣医学に関する刊行物の発行、学会や講演会の開催などの情報提供、獣医医療のスタッフの教育・養成などの人材育成、さらに野生鳥獣の保護管理による自然資源の保護など非常に広範囲の活動を続けています。平成8年度より年1回、日本学術会議に登録された「動物臨床医学会」を開催しています。
日本獣医師会会長。東京農工大学名誉教授。1989年に世界で初めて動物用の超小型人工心肺装置を開発、手術成功例を報告。獣医学における循環器分野の権威。1991年 財団法人鳥取県動物臨床医学研究所 所長。1996年 財団法人鳥取県動物臨床医学研究所 理事長。2004年 社団法人日本獣医師会会長。獣医学博士、医学博士。
動物臨床医学会理事。倉吉動物医療センター・米子動物医療センター総院長。 獣医学博士、医学博士。
対象有害物質 | 種類 | 実証機関 |
---|---|---|
細菌 | セラチア菌 | 米国 ハーバード大学公衆衛生大学院 メルビン・ファースト名誉教授 |
大腸菌 | (財) 石川県予防医学協会 | |
大腸菌、白色ブドウ球菌、カンジダ菌 | 中国 上海市予防医学研究院 | |
バチルス菌 | (財) 北里環境科学センター | |
CT&T(ドイツ アーヘン応用科学大学 アートマン教授) | ||
MRSA (メチシリン耐性 黄色ブドウ球菌) |
(財) 北里環境科学センター | |
(学) 北里研究所 北里大学北里研究所メディカルセンター病院 | ||
MDRP (多剤耐性緑膿菌) |
(学) 北里研究所 北里大学北里研究所メディカルセンター病院 | |
シュードモナス、 エンテロコッカス、 スタフィロコッカス |
ドイツ リューベック医科大学 | |
エンテロコッカス、 スタフィロコッカス、 サルキナ、 マイクロコッカス |
CT&T(ドイツ アーヘン応用科学大学 アートマン教授) | |
アレルゲン | ダニ、花粉 | 広島大学大学院 先端物質科学研究科 |
ダニ | 大阪市立大学大学院 医学研究科 分子病態学教室 | |
真菌 | クラドスポリウム | (財) 石川県予防医学協会 |
ドイツ リューベック医科大学(増殖抑制効果) | ||
CT&T(ドイツ アーヘン応用科学大学 アートマン教授) | ||
ペニシリアム、 アスペルギルス |
ドイツ リューベック医科大学(増殖抑制効果) | |
アスペルギルス、 ペニシリアム(2種)、 スタキボトリス、 アルテルナリア、 ムーコル |
CT&T(ドイツ アーヘン応用科学大学 アートマン教授) | |
ウイルス | H1N1型ヒト インフルエンザウイルス |
(財) 北里環境科学センター |
韓国 ソウル大学 | ||
中国 上海市予防医学研究院 | ||
(学) 北里研究所 北里大学北里研究所メディカルセンター病院 | ||
H5N1型トリ インフルエンザウイルス |
英国 レトロスクリーン・バイロロジー社 | |
新型H1N1 インフルエンザウイルス |
英国 レトロスクリーン・バイロロジー社 | |
SARSウイルス | 英国 レトロスクリーン・バイロロジー社 | |
ポリオウイルス | (財) 北里環境科学センター | |
コクサッキーウイルス | (財) 北里環境科学センター | |
(学) 北里研究所 北里大学北里研究所メディカルセンター病院 | ||
コロナウイルス | (学) 北里研究所 北里大学北里研究所メディカルセンター病院 | |
イヌパルボウイルス | (株) 食環境衛生研究所 |
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