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しかし、シャープが2004年に発売した液晶テレビAQUOSは、当時としては世界最大の45V型。
試作の段階で見てみると、8bitでも色がなめらかに変化せず、「とびとび(※)」になってしまうのです。
デジタル放送の規格が定められたのは、まだブラウン管の時代。
これほど大画面の液晶テレビは想定されていませんでした。
そこでシャープの技術者たちは、発想を変えました。
「人間の目の特性を利用しよう」。
毎日モニターをにらみながら研究を重ねました。
お客さまが見る映像にできるだけ近い条件で、ということで実験用のディスプレイではなく自社の液晶パネルを使いました。
人間の目が、「美しい映像」と判断するにはどれだけの階調が必要なのか。
出てきた答えは「10bit」。
シャープは、8bitの映像信号を10bit=1024階調で表現できる液晶パネルを開発してAQUOSに搭載しました。
液晶テレビの大画面化による課題をクリアしたシャープの映像技術者に、新たな課題が現われました。
「高コントラスト化」です。
コントラストとは、明るさの幅。
高コントラスト化によって、たとえば夜の暗いシーンでも黒がつぶれずに映し出せるようになったのですが、デジタル放送ならではの「とびとび(※)」の色変化も見えてきました。
「目の特性」との戦いが、また始まりました。
人間の目は、暗い部分の階調の変化で臨場感を感じることもわかってきました。
10bitで充分なシーンはどこか。
10bitでは足りない映像はなにか。
研究の末、4096階調という「なめらか高画質」、12bitBDE技術が完成したのです。
※階調が豊富な「なめらか」な映像に対比して、階調が乏しい「平面的に感じられる」映像を"とびとび"と表現しています。
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