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どうやって、原因を特定するのですか? |
黒木 |
それは、比較テストしかありません。同じ受信環境を作って、他社機などと同時に録画して調べるんです。あと、画質や音質のクオリティも。性能については、他社メーカーとのハードディスクレコーダーなどと比較して、数字で、「ほら、他社に負けています」と納得させる。そうしないと、感覚的なものじゃないのかということになりますから… |
森下 |
ある日、黒木さんから「音がうるさいなあ」って指摘があったんですよ。聞いた時は、一瞬何のことなのか、理解に苦しみました。
しばらく考えて「ああ、冷却ファンのことか」と。 |
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白川 |
そうなんです。ふだん、私たちはパソコンなどの情報システム機器を開発していますから、あまり騒音とか待機電力のことは、考えに入ってないことが多いんです。
だから、今回は、特に黒木君にお願いして、家庭内で使うことを念頭に置いて、チェックしてもらいました。 |
黒木 |
その結果、またまた苦労が増えてしまった(笑) |
森下 |
ファンの配置や排熱経路とかを見直しましたが、何せスペースがなくて、パズルみたいにあれこれやってましたね。消費電力についてもレコーダ停止状態で、20ワット以下に抑えるという目標があって。家庭内に置く機器ということで消費電力はできるだけ抑えたいわけです。けれども、このGalileo自体はルータ機能のあるサーバーなのですから、動いてないように見えても、実は、中では忙しく動いてますからね。 |
白川 |
でも、目標はクリアした。よくできたなあと思いましたね。
あと、はじめは「ガリレオ」を縦置きで考えてて、設計を進めてたんですが、リビングのテレビにもセットできるんだから、横置きを基本にして、スペースをとらない縦置きも、ということになった。それでやっと設計が終わったと思ったら、今度は… |
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何が起こったのですか? |
森下 |
試作の最終段階でしたね。「パーソナルサーバー」という、新しいコンセプトの商品なら、外観ももっと主張があっていいんじゃないかって…。 |
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そこで、あのスタンドでサンドイッチする独特のスタイルが生まれたんですね。 |
白川 |
まさに苦肉の作です。でも試作のデザインをよく見てるうちに、開発当初に考えてた、デジタル情報やコンテンツをホームとモバイルそれぞれの環境でもって、使いこなせるようにする「橋渡し役」というコンセプトにぴったりのフォルムだなと感じ始めました。
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始めからこのカタチで開発されたものだと、思ってました。 |
様々な置き方が可能に |
白川 |
同時に、スタンドが脱着可能ということで、横置き、縦置き、そしてスタンドを取り外して、テレビラックの中に収められるラックスタイルと、3つの置き方が提案できるようになったんです。いろんな苦労はありましたけど、そんなうれしい偶然もあって楽しかったですね。 |