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環境配慮型半導体洗浄装置を実現
高温高濃度オゾン水製造装置を開発
シャープマニファクチャリングシステム株式会社は、半導体向け高温高濃度オゾン水製造装置を開発いたしました。これにより、これまで半導体製造工程で多量に使用されている硫酸などの薬液をオゾン水に置き換え使用量ゼロ、または、極めて少ない量で半導体の製造が可能となります。
半導体製造時は多くの薬液が使用されていますが、近年の環境への配慮に向けた取り組みから、薬液使用濃度の最適化やリサイクルによる再利用などにより、シリコンの単位面積あたりの薬液使用量は減少傾向にあります。本装置は、こうした薬液の使用量を根本的に削減するものです。使用後のオゾン水は酸素と水に分解され、環境への負荷はありません。
いままでのオゾン水を使った洗浄で課題となっていた処理能力不足の問題を解決する為、当社の保有する洗浄装置の製造技術とシャープグループ内の半導体技術を用い、以下の技術を独自開発し、過飽和濃度の高温高濃度オゾン水で半導体基板洗浄を行い従来のオゾン水では洗浄効率が悪いレジスト剥離工程まで実用的な処理を可能としました。更に純水と高純度ガスより生成される高純度のオゾン水は微細化への展開にも期待がもてます。

写真.高温高濃度オゾン水製造装置の外観写真 |
■開発した技術のポイント(特許申請中) |
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過飽和濃度の高温高濃度オゾン水をつくる技術。 |
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オゾン水を高濃度に維持し基板表面へ送液する技術。 |
3. |
基板表面で反応後のオゾン水を素早く置換し、フレッシュなオゾン水を常に供給する技術。 |
<高温高濃度オゾン水製造装置の特長> |
1. |
過飽和濃度の高温高濃度オゾン水をつくる技術。
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余剰な熱エネルギーがオゾン水へ供給されると溶液中のオゾン分子は酸素へと分解します。
オゾン水の加熱には、溶液中のオゾン分子の自己分解を最小限に抑え、且つ必要温度まで短時間で昇温できる機構を開発しました。(図)
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オゾン水を高濃度に維持し基板表面へ送液する技術。
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過飽和状態のオゾン水は、熱力学的には非平衡状態にあり、オゾン水濃度は時間の経過とともに飽和溶解濃度へと低下します。過飽和状態の高温高濃度オゾン水を使用する為に、オゾン濃度の低下を極めて少なくする配管系を開発しました。
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3. |
基板表面で反応後のオゾン水を素早く置換し、フレッシュなオゾン水を常に供給する技術。
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基板全面に高濃度オゾン水を供給する為、独自ノズルと基板回転機構との組み合わせ構造を開発しました。 |
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<本件のお問い合わせ先>
シャープマニファクチャリングシステム株式会社 |
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