ドラム式洗濯乾燥機

なぞるだけでゴミがまとまる!
そのヒミツは、

マンタの捕食方法

テクノロジー

洗濯乾燥機の排水フィルターに
マンタのエラ構造を応用

今や主流のドラム式洗濯乾燥機だが、お手入れについて不満を持つユーザーが多いということは企画担当者も把握していた。その中でも排水フィルターのお手入れは、怠ると掃除するのが面倒な上にすぐに汚くなるので、ユーザーの不満も多かった。
そんな不満の声を解消すべく、お手入れがラクにできる排水フィルターの開発に着手。現状の排水フィルターは格子状になっており、そこに糸くずが絡まってなかなか剥がせない…。この構造がイライラの原因になっている。そこで、「自然界に排水のお手本となるようなフィルター構造をもったものはないか?」「捕まえた食べ物などを絡まらないように回収している動物はいないか?」様々な動物や生物を調べた結果、たどり着いたのはプランクトンを上手に集める“マンタ(オニイトマキエイ)”だった。

プランクトンを効率よく取り込むマンタの捕食。排水フィルターのお手入れをラクに
応用パーツ

ネイチャーテクノロジーの採用で
パーツはここまで変わりました

従来排水フィルター
格子形状で、隙間が大きいので糸くずが絡まりやすい。
従来排水フィルターの写真
マンタのエラ形状応用「するポイフィルター」
互いに重なる翼形状で、従来の格子形状とは全く異なるカタチになっている。
マンタのエラ形状を応用した「するポイフィルター」の写真
効果

指でなぞるだけでゴミがとれる、簡単お手入れを実現

マンタは捕食する際、活発に動き回りながら大きく口を開けて、頭鰭(とうき)も利用してプランクトンを含んだ海水を効率よく口内に流し込んでいる。
マンタのエラ部分には鰓し(さいし)と呼ばれるエラの付属器官があり、鰓し(さいし)の働きでプランクトンと水が上手に分離される。

マンタのエラ形状を応用した「するポイフィルター」は、この鰓し(さいし)の形状を応用することで、洗濯の排水の際、ゴミだけをフィルターに絡まらないようキャッチすることを実現した。

マンタが捕食するイラスト。エラ部分にある「さいし」のイメージ

マンタのエラ構造はエラを通過する際、エラ内部に渦が発生し、プランクトンだけが分離される。するポイフィルターの構造では水がフィルターの隙間を通過する際、渦が発生。渦により糸くずが隙間を通過できずにフィルター内に留まる。

マンタのエラの構造イメージ。エラの内部に渦が発生し、プランクトンと水が分離される。

マンタのエラ構造

するポイフィルターの構造イメージ。水が隙間を通過する際に渦が発生し、糸くずと水が分離される。

するポイフィルターの構造

従来の格子形状では糸くずは3次元的に複雑に絡まっていたが、「するポイフィルター」では、糸くずの引っかかる向きが揃っているので、振るだけでも取りやすく、残ったゴミは指でなぞればスルッと取れる。
  • ゴミの取れ方は使用状況により異なります。

お手本にした動物の
ココがすごい!

優雅な振る舞いと頭の良さで見る人を魅了!?
海の大物アイドル“マンタ”。

大きな胸びれをゆっくりと羽ばたかせ、海中を飛ぶように優雅に泳ぐマンタ。胸びれを広げると横幅4~5m、最大では9m近くになるものもあり、現存する魚類の中では世界トップ10に入る大きさを誇ります。
オニイトマキエイとの和名を持ち、エイの仲間であるマンタですが毒針はなく、性格は人懐こく好奇心が旺盛。大きな体に対して脳の割合も多く知能が高いとも言われています。日本でマンタに会える場所といえば石垣島や西表島がある八重山諸島で、比較的狭い海域を回遊しているのではないかとの研究結果もありますが、その生態に関しては謎が多くまだ解明されいません。そんなミステリアスな生物だからこそ、多くの人を魅了しているのかもしれませんね。

大きな体が「マント」みたいで、
マンタという名前に。
海中を泳ぐマンタの写真