エアコン

シャープのネイチャーテクノロジー。
そのはじまりは、
エアコンから

テクノロジー

鳥の翼の平面形応用
エアコンの室外機プロペラファン

初めてネイチャーテクノロジーが採用されたのは、2008年に発売されたエアコンの室外機だった。それまで、空調商品の技術部にいた開発担当者は、自身が学んできた航空工学の知見をもとに省エネ化を進めていた。だが、思うような成果は出ず…。ある日、生物模倣学の学会に出席した開発担当はそこで研究者たちの白熱した議論を目の当たりにする。その迫力に圧倒され、直感的にこの技術は、いけるかも!と、ひらめき、早速室外機のプロペラファンに応用。成果はすぐに現れた。

鳥の翼の平面形を応用して、送風効率約20%アップ(当社比)した室外機プロペラファンのイメージ
  • 従来ファンと鳥の翼形状ファンで同一風量によるモーターの電力を比較。(従来ファン(Z-SX):61.4W、鳥の翼形状ファン:51W)
応用パーツ

ネイチャーテクノロジーの採用で
パーツはここまで変わりました

従来プロペラファン
航空工学を応用した従来ファン。2枚の羽根の回転を支えるため、真ん中のボス部がしっかりしている。
従来プロペラファンの写真
鳥の翼の平面形応用
プロペラファン
羽根の違いは一目瞭然。風の抵抗をうまく逃すのでボス部が不要になり、ファンを回すモーターも小型化することができた。
鳥の翼の平面形応用 プロペラファンの写真

(写真はパーツ例)

効果

送風効率が、約20%アップ

従来プロペラファン
従来は回転時、円周部に形成される渦が大きく、ファンの回転の妨げとなっていた。また羽根の後端部から出る風の渦が大きく(この渦が大きい程送風効率が悪い)、この渦が次の羽根にぶつかって騒音となっていた。
従来プロペラファンの送風イメージ
鳥の翼の平面形応用
プロペラファン
アホウドリの翼を応用することで、羽根の円周部にできる渦を小さくすることに成功。羽根の後端部はイヌワシの翼のように風をつかんでコントロールするので、排出される渦が小さく、次の羽根への衝突を最小限に抑えている。
アホウドリの翼を応用したプロペラファンの送風イメージ

安定して、風を吸い込む

アマツバメの翼形状(厚み)を応用することで、静圧(空気を吸い込む力)が向上。例えば、室外機のまわりに雪が積もって、空気が取り込みにくいような場合でも、その抵抗に打ち勝って風を安定して吸い込めるようになった。

アマツバメの翼形状を応用したプロペラファン
安定して風を吸い込めるようになった室外機のイメージ
  • 従来ファンと鳥の翼形状ファンで同一風量によるモーターの電力を比較。(従来ファン(2010年度Z-SX):61.4W、鳥の翼形状ファン:51W)

お手本にした生物の
ココがすごい!

01

数万キロも飛び続けることができる、アホウドリ

全ての鳥の中で最も滑空力が高く、数万キロも飛び続けることができるアホウドリ。翼を広げて滑空する姿は、翼が長く、美しいの一言。ナイフのような羽形状は揚力を生みやすく、海上で向かい風を受けてもそれを利用して上昇しながら滑るように飛べます。ある研究によると、46日間で世界一周したことが記録されているそうです。

長時間飛び続けるその様は
まさに省エネの飛行スタイル
アホウドリの写真

02

風を巧みにコントロールする、
イヌワシ

ノウサギやヤマドリ、アオダイショウなど、空中あるいは樹上や岩上などで餌動物を見つけると、急降下して捕らえます。陸上に近い乱気流の中でも安定して飛ぶことができるのは、先端の分かれた翼で風をつかむようにしてコントロールしているからだそうです。

翼を広げると2m近くあり、
天狗のモデルとも言われています
イヌワシの写真

03

鳥類最速の高速飛行で飛ぶ、
アマツバメ

飛びながら眠ることも出来るほど、空中を飛ぶことに特化した鳥で、長い翼で自由自在に、しかも高速で飛んでいます。全長は約17センチ〜20センチ、翼を広げた長さは43センチ〜54センチ程で、体の割に大きい翼を持ち、飛ぶ姿は、まさにブーメランのよう。飛ぶことに特化したためか、脚で歩いたり羽ばたいて飛び立ったりはできません。

翼を広げて飛ぶ姿は、
まるで黒い鎌のよう
アマツバメの写真