Nature Technology No.205 dragonfly トンボ



上昇や停止・後進など、
実は
アクロバティックな飛行をしているトンボ
少々強い風の中でも、トンボは気にすることなく飛んでいます。実はコレ、とても凄いことなのです。体重の軽いトンボにとって空気はとても粘性が高く、例えるならば私たち人間が水の中を歩いているようなもの。なぜ、強風をモノともせず軽やかに飛ぶことができるのか、秘密はその羽根の形にありました。トンボの羽根は強度が高く、かつ柔軟で、断面がデコボコしています。飛ぶ時はこのデコボコした部分に小さな空気の渦が発生。この渦が、車輪のような役割を果たして空気を後方へスムーズに流すので、少々強い風の中でも安定して飛ぶことができるのです。
トンボの羽根の断面形状を
エアコン室内機クロスフローファンに応用しました
トンボがスゴイ。その羽根の形状は航空機の翼よりも効率的かも…学会で聞いた話をヒントに、
エアコン室内機のファンの開発に着手。
トンボの羽根形状を応用したところ辿りついた結論は…。

トンボの羽根周辺の風の流れは渦の形成により、あたかも航空機の翼の周りのように流線が形成。摩擦抵抗を減らしています。

効果送風効率が約30%※アップ
シャープのエアコンは空気力学(エアロダイナミックス)に基づいた送風システムを採用し、より遠くまで風が届くようにしています。そのエアロダイナミックフォルムに加え、ファンにトンボの羽根の断面形状を応用することで、送風効率がアップ。少ない電力で柔らかな風をより遠くまで届けることができ、快適性と省エネを両立しています。

ネイチャーテクノロジー採用 クロスフローファン
ファンの断面を拡大してみると、ギザギザの溝がある独特の形状になっていることがわかります。ファンを回転するとこの溝の部分に渦が形成され、その渦が車輪のような役割を果たし、スムーズに風が送れるようになっています。

- イラスト・写真はイメージです。
- ※従来ファンとトンボの羽根の断面形状ファンで同一風量によるモータの電力を比較。(従来ファン(Z-SX):51W、トンボの羽根の断面形状ファン:36W)
トンボの羽根の断面形状を
空気清浄機のシロッコファンに応用しました
いかに早く部屋の空気を捕集できるかが、空気清浄機では重要なポイント。
また、365日24時間の運転を推奨する空気清浄機では、運転音の静かさも外せない。
そこで着目したのはトンボの羽根でした。

効果風の摩擦抵抗を減らし、運転音を抑制
シャープの空気清浄機は、ロングノズルと後ろななめ20°吹出しという、航空工学をベースにした吹出し形状を採用。これによりスピーディな循環気流を可能にしています。
また、大風量を実現する上で忘れてはならないのがファンの性能。エアコンで実績があったトンボの羽根断面を、空気清浄機のファン形状にも応用することで風の摩擦抵抗を減らし、運転音を抑えながら風を送り出すことに成功しました。空気の質はもちろん運転音の面でも、お部屋をより快適にすることに貢献しています。

ネイチャーテクノロジー採用 シロッコファン
空気清浄機のファンの断面は、両側に溝部があり、エアコンよりもさらにトンボの羽根形状に近いものになっています。エアコンのファンでは片側だけだった渦が両側に形成され、よりスムーズに風が送れるようになっています。

- イラスト・写真はイメージです。