「適温」で暑熱対策って?

聞きなれない言葉かもしれませんが、読んで字のごとく
「暑さ」に対する対策のことを暑熱対策と言います。
ここでご紹介するのは、融点を自在にコントロールできる
「蓄熱技術」を使った暑熱対策。
その仕組みについて詳しくご紹介します。

Q. 暑熱対策に用いた蓄冷材の
温度は12℃。
なぜ、この温度なの?

A. 快適冷却ができるから。

蓄冷材

「12℃」と聞いて、体を冷やすにはぬるいのでは…?と思う人は多いかもしれません。
しかし、例えば食品などを冷やす一般の保冷剤を、試しに手でぎゅっと握ってみてください。
冷たすぎて、すぐに痛みを感じませんか?この状態で1分も握りつづけることは、きっと難しいはず。
なぜでしょうか?

実は、人は皮膚表面温度が17℃以下の冷刺激を受けると痛みを感じるのです。

そこでシャープが着目したのは、12℃を保つ適温蓄冷材。
蓄冷材は12℃ですが、触れている肌の皮膚表面温度は17℃以下にはならないので、この12℃の適温蓄冷材なら、気持ちいい温度で手のひらを長く冷やすことができます。冷たすぎで痛みを感じることのない快適冷却で、暑熱対策ができると考えたのです。

■温度と冷覚・温覚・痛覚の関係

温度と冷覚・温覚・痛覚の関係
  • 「皮膚温度表面がこの温度」になるようにクーリング。

■手のひら冷却時の表面温度(当社測定)

手のひら冷却時の表面温度(当社測定)

Q. どこを冷やせば、
体を効率的に冷やせるの?

A. ずばり、手のひらです。

体に負担をかけない温度帯の次に着目したのは、冷やす体の部位。
どこを冷やせば、効率よく“クーリング”することができるのでしょうか?
首?体温を測る脇の下?熱が出た時などに冷やすおでこ?
シャープが出した答えは、手のひらや上腕部でした。

「手掌部」と呼ばれる手のひらには、体温を調整する動静脈吻合という特殊な血管があります。この血管を通る血液を冷やすことによって、冷えた血液が体内を巡り、カラダ内部を冷やしてくれます。

動静脈吻合
  • 動静脈吻合(どうじょうみゃくふんごう:Arteriovenous Anastomoses(AVA)体温を調整する特殊な血管)

Q. いつ冷やせば、いいの?

A. 運動前です(プレクーリング)。

どのタイミングで冷やせば効率よくクーリングできるのでしょうか?
体が「暑い」と変化を感じ始めたときでなく、事前に体を「プレクーリング」しておくことが暑熱対策には非常に重要です。
(独)労働安全衛生総合研究所とシャープが行なった実験では暑熱環境下で運動を始める前に30分程度蓄冷材で“クーリング”した場合としなかった場合では、明らかに深部体温に差が出ることがわかりました。
運動前のプレクーリングはもちろん、運動中や運動後のクーリングにもおすすめです。

  • 身体の内部の温度

■プレクーリングにおける深部体温上昇抑制効果

プレクーリングにおける深部体温上昇抑制効果
  • 「手のひらを冷やす」のは事前の対策です。すでに体調に変化がでている場合は、手のひらだけでなく、首、脇の下、脚のつけ根を含めた全身を速やかに冷やすことが重要です。呼びかけに応じないなどの緊急時には救急車を呼び、適切な医療処置を受けるようにしてください。

これからは、「適温」で
新しい暑熱対策を

蓄冷材

ここでご紹介した暑熱対策は“融ける”温度を自在にコントロールできる
蓄冷材だからこそできることで、
小さなお子様からお年寄りまで、どなたでも手軽にできる暑熱対策です。

場所やモノ、コト、を「適温」にすることで広がる、新しい世界。
あなたも、一度体験してみませんか?