上司と部下がゲームで繋がる時代?いま話題の「cogme(コグミー)」とは【インタビュー】
いま話題のサービス「cogme(コグミー)」は会社の人とゲームで繋がる仕組みとのこと。
しかし、「ゲームで繋がる時代」そう言われても、正直ピンとこない方もいるのではないでしょうか。
ゲームはひとりの時間を楽しむためのものでは?
仕事が終わった後は、家族や友人と過ごしたいと思うのでは?
今回は、そんな素朴な疑問を「cogme」開発者の瓜田氏とエヴァンジェリストの中村氏に聞いてみました。
会社の人とゲームで繋がる魅力とは?
読み方は「コグミー」ですよね。可愛らしい名前ですが、何か由来はありますか?
瓜田:造語でして、コミュニティ(community)とゲーマー(gamer)のスペルを短縮して合体させました。「cogme」は社会人とゲーマーをコンセプトにしているので、“働く人”の呼び方でもある“コワーカー(Co-worker)”に少し寄せて親しみやすい単語にしました。
そもそも会社の人とゲームで繋がる必要はあるか?が率直な疑問として出てくると思うのですが、いかがでしょうか?
瓜田:ゲームに限った話ではないのですが、趣味の話って会社では話しづらかったりするんですね。特にゲームの話って社内では避けられがちですが「ゲームで社内の交流を円滑にするのも選択肢のひとつだよね」という提案を「cogme」では打ち出しています。
中村:実は、私はエイプリルナイツに入社するまでゲームをあまりやらない方だったのですが、この会社はみんな本当にゲームが好きなので、私もたくさんプレイするようになりました。すると、自ずとゲームを起点にコミュニケーションをとるようになって、それが良いチームビルディングに繋がったり、部署や所属が離れていても話ができる関係になったりしたんです。男女差もあまり関係なく、様々な点においてゲームでコミュニケーションすることのメリットを感じていますね。
約100社に導入されている「cogme」ですが、各企業はどのような理由で「cogme」を利用していることが多いのでしょうか?
瓜田:他の会社の人とゲームを使って交流したいとか、複数でやったら楽しいゲームなんだけど友達の集め方が分からない方が社内でゲーム仲間を探す目的で導入されていますね。
あと直近では「AFTER 6 LEAGUE※」にも公式採用されましたので、今後は企業が主催する公式イベントでも使って頂ける機会が増えていくと考えています。
イベント、マッチング、チャット、全てが揃っている万能ツール
「cogme」は「ゲームが好きな社会人のためのプラットフォーム」とのことですが、他のDiscordやLINEなどのコミュニケーションツールとは何が違うのでしょうか?
瓜田:「cogme」には、ゲームの交流をサポートする機能がひと通り揃っているので、それが他のツールとの違いだと思います。マッチング機能やイベント機能を用いることで「今夜、企業同士で紅白戦やりませんか?」と呼び掛けて他の会社の人とゲームを遊ぶことができ、そのままチャットで交流することができます。また、「cogme」は本名や所属が開示されているので、比較的安心して利用してもらえるコミュニケーションツールになっていますね。
なるほど。「cogme」さえ導入してしまえば、ゲーム交流に関する全てのことができてしまうんですね。
瓜田:そうですね。あと追加機能としてボイスチャット機能を実装することが既に決定しているので、ゲームの交流に必要なこと全てが「cogme」内で完結するように改良される予定です。
シンプルかつ多機能で使いやすそうなツールですが、実際、お客さんからはどのような意見が寄せられていますか?
瓜田:毎週のように「cogme」を使用したマッチングが立っているのですが、お客さんから「このマッチングを毎週楽しみにしてるんです!」という声が届いています。あと、ゲームでちょっと交流したいんだけど仲間を見つけられなかった方が「cogme」を活用して交流を始められたという嬉しいお話も伺っています。
コロナで減少気味の社内交流を取り戻す
テレワーク化が進んだことによって「cogme」の重要性がより増しているようにも思えます。出社回数が減ったことで、“自然と発生するコミュニケーション”が減少した社会に「cogme」はどんな価値を提供していけるのでしょうか?
瓜田:そこはタイミングもあったと思います。弊社は元々、ゲームを使って社内コミュニケーションする文化が根付いていたので、その文化をサービスという形で展開したいと考えていました。昨年、東京ゲームショウに出展した際は非常に反響がありましたね。
中村:大きな企業だと、他部署や離れた事業所のメンバーとはなかなかコミュニケーション取りづらいと思うんですね。そこで「cogme」を使うことで連携を強めて、仕事にも活かせてもらえたらなと思います。
瓜田:例えば私は開発部ですが、営業部にいるゲーム仲間とよく話をするんです。すると、営業の人って想像以上にコロナで大変だということが分かったり、「そういえばあの仕事どうだっけ?」と気軽に仕事の話ができたりします。悪く言えば仕事とプライベートの境目が曖昧になっているともいえるのですが、良く言えばフラットに業務やプライベートの話ができる環境ですね。
会議中は皆が気を使って大したアイデアが出てこないけれど、ふと一緒に休憩に行ったときの雑談で本音の意見が出てきたり、それが面白いアイデアだったりする現象と似ていますね。
瓜田:本当にそうですね。会議って時間を決めてその中で何かを決定しなければならず、それは少し窮屈です。アイデアのような発想をアウトプットする行為って、ゲームとかをしながら話していくのが合っているのだと思います。
実際、リモートワーク化によって対面ならできていた緩い共有が疎かになりミスに繋がっている場合があるみたいなので、もしかしたらそこにも貢献しているかもしれないですね。
瓜田:だとしたら嬉しいですね。「cogme」は登録時に審査も必要なく、企業のゲーム部単位で登録が可能ですから、多くの人に気軽に使ってもらえればと思います。
中村:あと最近企業から多いのは「社内で“eスポーツ部”を作りたいけど何をしたらいいか分からない」というお問合せです。
会社の福利厚生として「cogme」が!?
企業でも「eスポーツ部」が増えてきたんですね。
瓜田:大手企業を中心に増えてきましたね。また、事業としてeスポーツ業界に参入したいというお客さんも増えてきているので、そのような企業のお手伝いもしています。
企業側はeスポーツの何に魅力を感じて参入してきているのでしょうか?
瓜田:eスポーツの市場規模に対する期待感に加え、オンラインでの交流がしやすい点を魅力に感じている企業が多いですね。また、地方の企業は若手採用のための魅力付けの1つとしてゲームを取り入れているようです。採用面での「cogme」の活用もされ始めていますね。
実は私自身もゲーム採用なんです。昔、就職活動中に「リーグ・オブ・レジェンド」の企業交流戦を観て「今って企業がこんなことやってるんだ!」と思い、この大会で優勝した企業に応募しようと思って受かったのが今の会社なんです。僕が実例なので、そういうパターンも増えてくるのではないかと思います。
今ならまだしも、当時の段階で瓜田さんのようなケースはとても珍しいですね(笑)
瓜田:そうなんですか(笑)。僕がそうだったので、他にもいるのかなと(笑)。
実際、採用だけでなく企業の福利厚生も多様化してきているので、「cogme」がそこに加わる日も近いのかもしれないですね。
瓜田:そうですね。「cogme」の有無が学生さんの企業選びの基準になると嬉しいですね。
また「cogme」は社会人と学生さんを繋ぐようなプラットフォームとしても考えています。社会人がeスポーツを使って大会を開いたと仮定して、社会人の人も強いゲーマー欲しいなとか、学生さんもこの企業、ゲームでこんな取り組みしているんだという、マッチする時代が来ると思うんですね。企業のゲーマー採用も見据えた取り組みをしています。
ひとりで遊びたいゲーマーにも「cogme」は使える?
「cogme」で繋がることに適しているのは、対戦やマルチプレイなどのオンラインゲーム好きだけなのでしょうか?ひとりで黙々とソーシャルゲームやコンシューマーゲームをプレイすることが好きなゲーマーにも「cogme」は合いますか?
瓜田:はい。「cogme」は社会人ゲーマー皆さんに向けたサービスですので、ゲーム好き同士で交流したいと思った際にはどのような形でも使って頂けます。例えば、直近でも「ゲーム好き同士でたまには身体動かしませんか?」という名目で「フットサルをやりましょう!」という募集が立っていました。ひとりで遊ぶスマホゲームにおいても、好きなシーンやキャラクターについて他の人と話し合いたい時とかあると思うんですね。そんな時に「cogme」を使って頂くのも全然アリです。
なるほど。たとえ現状ゲームをプレイしていなくても、昔プレイしていた懐かしいゲームについて雑談したいと思ったら「cogme」で語り合う仲間を探すことができるんですね。
瓜田:そうですね。「このゲームについて語りませんか?」というマッチングはアリだと思います。
本日はありがとうございました。「cogme」がただのコミュニケーションツールではなく、様々な未来を見据えたサービスであることが分かりました。
瓜田:ありがとうございました。今はeスポーツの企業交流戦も各主催企業が特設サイトを作って集客をされているので、それらをひとつの場所に集めて、より多くの方の目に触れるようになって欲しいという願いも「cogme」には託しています。
また、これからも「cogme」を通して、私たちの会社のように社員同士がゲームで関係を築いていくことができると伝えていきたいです。少しでも企業の「cogme」導入の障壁を下げられるように、私と中村でお力添えをできればと思います。
中村:本日はありがとうございました。最後に宣伝になってしまいますが、「cogme」では企業eスポーツ部の創設サポートも承っております。こちらのインタビュー記事をご覧いただいて「社内eスポーツ部の創設を検討している」方がいらっしゃいましたら、お気軽に弊社までご連絡ください。社会人同士がゲームで交流する文化が広く普及していくことを願っています!