忖度無しのガチレビュー!噂の「AQUOS zero2」のグラフィックについて現役の2Dゲームグラフィックデザイナーに本音の感想を聞いてみました。
10億色の色彩表現はプロの目にはどう映るのでしょうか?
プライベートでもソーシャルゲームを遊ぶというお二人から、ユーザとしての率直な感想とプロとしての鋭い指摘を伺いました。あまりにも本音すぎるインタビューは予想外の展開となりました。

左:池田さん

2Dグラフィックデザイナー(乙女系ドラマパズルゲーム)
Tumlr:https://samui128.tumblr.com/
所属スタジオ:2DCG PlaNet Studio

右:李さん

2Dグラフィックデザイナー(美少女タップアクションRPG)
Twitter:https://twitter.com/kaiyougasi
所属スタジオ:2DCG PlaNet Studio

まずはアイコンの解像度をチェック

これが「AQUOS zero2」です!早速、遊んでみてください!某DCG(デジタルカードゲーム)と某TPS(サードパーソン・シューティングゲーム)をインストールしてあります。

池田さん:ありがとうございます!てか!軽い!!

李さん:わわっ!これ軽い!スゴイ!

池田さん:(ご自身のスマホを手に取って)重っ!!(笑)

まずは軽さが気になるんですね。めちゃくちゃ反応良くて嬉しいです。

池田さん:そうですね!グラフィックも綺麗です!アプリのアイコンのスゴイ細かいところまで表示されています。

ゲーム画面ではなく、まずはアプリのアイコンから気になるんですね。

池田さん:アイコンの文字までくっきりと表示されているのは凄いです。普通は文字が潰れてしまいます。特にこの部分とか凄く細かく表現されてるし。ほら!この文字とか読めるくらい!

李さん:ホントだ!すごい!

端末によっては、文字が潰れることがあるのでしょうか?

池田さん:そうですね。ここまで綺麗に表示されることは珍しいと思います。

李さん:なんか白い部分もコントラストが凄いよね。

池田さん:うん!あと、画面が大きいのも羨ましい。

李さん:画面大きいし、端っこまで表示領域がある!

ゲーム自体の解像度が気になるレベル

ゲーム画面については如何でしょうか?カードのイラストやTPSのキャラクターや背景を見て頂きたいです。

池田さん:めっちゃ綺麗です!綺麗すぎてゲーム自体の解像度の低さが気になっちゃうぐらいです。イラストや背景の画質がもっと良ければ、もっと綺麗なのに!と思います。

なるほど。ゲーム制作側の視点になると、グラフィックの良さだけではなく、イラスト自体の解像度が気になってくるんですね。特徴の1つである10億色の色彩表現は体感できるほどでしょうか?参考までにサンプル画像の夜景の写真をご覧ください。

池田さん:そうですね。例えばこの暗い部分、このビルのこの面と側面の角に当たる部分の境界がくっきりと出ています。仕事のモニターでもここまで表現されません。通常であれば、めっちゃ拡大したりモニターの明度を調整してやっと見えるぐらいの領域です。でもこのAQUOS zero2はそのままでもくっきりと見えますね。

つまり、もしAQUOS zero2でゲームイラストの作画を行うことができれば作品クオリティや作業スピードが上がる可能性がある、ということでしょうか?

池田さん:この画面がそのまま大きくなったらイケます!

李さん:そんな贅沢な(笑)

AQUOS zero2のような高画質のスマホが次々と登場すると、開発環境とユーザの端末の色彩表現にギャップが生まれ、開発時のチェックで苦労されることは増えてくるのでしょうか?

李さん:今もあります!絵を書いたらプレイ用の端末に送信して、グラフィックのチェックをしています。

池田さん:私も候補の色パターンを複数作成し、少し離席してから客観的にチェックすることをよくやってます。AQUOS zero2ぐらい色鮮やかだったらそんなことしなくても良いかも。

それぐらい、色選びは繊細なんですね。

池田さん:そうですね。つい先日も自分の作品をアートディレクターにチェックしてもらったら「全体的に少し暗い」って指摘されて。自覚は無かったのですが、指摘されてから客観的に見たらめっちゃ暗かった。それくらい色選びは難しいこと。AQUOS zero2くらい綺麗な画面なら色選びも楽しそうです!

このままスマホのグラフィックが向上してくると、スマホゲームの開発は大変になるのでしょうか?

池田さん:ゲームの開発工程全体が大変になるのかは分かりませんが、イラストや2Dグラフィックに関しては、1つ1つのファイルの解像度が上がるのでサイズが重くなると思います。今のゲームスタジオに転職(https://www.creativevillage.ne.jp/)する前からイラストを描く仕事をしていたので解像度やサイズは気になりますね。

他業界からゲーム業界に転職されたんですね。

池田さん:もともとグラフィックデザイナーとイラストレーターをしてました。転職の際はゲーム業界に絞るのかどうかが悩みどころでした。

将来はフリーランスへ

転職時の悩みとは、具体的にどのような悩みだったのでしょうか?

池田さん:最終的にはフリーランスになりたいという目標を持っているので、幅広くお仕事をしたいと考えています。店舗や書籍のデザインも手掛けたい。このタイミングで1つの業界に特化させることが良い事なのか悩みました。ただ、イラスト案件自体にゲーム系の案件が多く、今後も仕事が増えていくと感じたので、一旦はゲーム業界について深く知ろうと思いました。

たしかに頻繁にアップデートや追加要素があるソーシャルゲームの業界においては、イラストの仕事は需要がある気がします。ところで、李さんは先程からキャラの着せ替えモードでずっと遊んでいますね(笑)

李さん:あ、そうですね(笑)見て下さい!布の質感が綺麗に表現されています。

池田さん:え!その着せ替え私もやりたい!どのモードでやるの!?

画面が綺麗になると、このようなキャラクターカスタマイズの機能がもっと楽しくなりますね。これまではあまり遊ばれてこなかった、おまけ的なモードにも今後は注目が集まるかもしれません。

肉眼で見るよりハッキリ見える

実はAQUOS zero2はゲーム開発者にアドバイスをもらいながら色彩表現をカスタマイズしています。
例えば、黄色と金色の違いがゲーム内でどう表現されるべきか?等、ゲームに特化した色彩表現になっています。

李さん:すごい!この背景のコントラストがはっきりしてます。この少し雨に濡れたような質感です。この質感を出すのはなかなか難しいです。

なるほど、素人目には何となく綺麗だなーとしか思いませんでしたが。

池田さん:ただ、やはりゲーム自体の画質が気になってきますね。このままでも十分綺麗なのですが、もっと綺麗になる余地があります。スマホの性能にゲームの画質が追いついてきたら、もっともっと綺麗になりますよ。

李さん:これで映画とか観ると楽しそう!

池田さん:確かに!すごい綺麗そう!わたし戦国系の映画やドラマが好きなので沢山の兵隊が戦うシーンとか迫力がありそうです。また、これなら暗いシーンでもしっかりと見えると思います。

暗いところが見えづらいのは明度の問題ではなく、グラフィックの問題でもあるんですね。

池田さん:色数ですね。ただの黒色でもいくつかの種類が使えると見え方が変わってきます。

李さん:なんか肉眼で見るよりハッキリ見えると思った。てか、なんでこんな軽いんですか!?(笑)

やっぱり軽さが気になるんですね(笑)基板の小型化とマグネシウム合金フレームで作られてるんです。重量141gは世界最軽量*です。

池田さん:え!世界最軽量!すごい!

  • * 画面サイズ6インチ以上で、電池容量が3,000mAhを超える(公称値)防水(IPX5以上)対応のスマートフォンにおいて世界最軽量約141g。2020年1月20日現在、シャープ調べ。

李さん:これカメラで撮った写真の画質もすごく良さそう。ライブとかの時、ステージのアーティストまで距離があるから、スマホのカメラに移しつつ拡大して観たりするし!

池田さん:それ、わかるー!!(笑)

スマホのカメラの性能は向上してきているので、同時に画質も重要になってきますね。お二人とも本日はありがとうございました!プロの目線からだと、画面が綺麗だという感覚だけでなく、ゲーム自体の解像度がスマホのスペックに追いついてなくてもったいない、という感覚も抱くのが面白かったです。素人目には「画面、綺麗だなー」としか感じませんでしたが、お二人にはそう見えるんですね。

池田さん:はい、すごくもったいないと感じます。こんなに画面が綺麗でイラストも綺麗なのにって。私たちゲーム開発業界側がもっと頑張らないといけないと思いました。ゲームのイラストの解像度がこのスマホに適応したら、もっと驚くと思います!

CREATIVE VILLAGE
https://www.creativevillage.ne.jp/

運営:株式会社クリーク・アンド・リバー社

所属スタジオ:2DCG PlaNet Studio
https://crdg.jp/

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