事業の概要

シャープの複合機は、お客様視点で「使いやすい」操作を目指したユーザーインターフェイスの開発を続けてきました。2010年発売のMX-2610FNシリーズでは、当時のクラス最大の10.1インチ大型タッチパネルを採用し、スマートフォンのようなジェスチャー操作を複合機の世界にいち早く取り込みました。以後も、よく利用する機能を大きなキーや文字で操作するシンプルモードのサポートや、以前の操作を自動で記憶してワンタッチで呼び出し可能な「最近のジョブ」機能のサポートなど進化を続けています。

当社複合機では高品位な印刷を実現するため、写真や文字などの構成要素から原稿の種別を自動認識し、最適な画像処理方法を自動で設定するマジカルビュー®を搭載しています。最新機種では、ディープラーニングを利用したAI技術を活用し、色数や階調数の判定もできるようになりました。また、トナーの小粒径化も継続して行い、印刷画像の粒状感を抑え、画像の再現性を向上しています。

当社は、環境負荷を低減する技術開発に継続して取り組んでおり、Mycrosトナー®シリーズによる低融点トナーや低温定着技術でTEC値^※の削減に努めています。また、コントローラー制御技術を工夫し、最新のBP-70C26／BP-60C26シリーズではネットワーク待機時の消費電力0.3Wを実現しました。メンテナンス部品の長寿命化による廃棄物の削減など、商品ライフサイクル全体を通して環境に配慮したものづくりを続けていきます。

※TEC値とは「Typical Electricity Consumption」の略。国際エネルギースタープログラムで定められた測定方法による数値です。

当社は、複合機のデータセキュリティにいち早く取り組み、 2001年4月、複写機・複合機業界でははじめて「コモンクライテリア認証」を取得しました。企画開発段階から、お客様のオフィス環境におけるセキュリティの脅威を想定。複合機のストレージやネットワーク通信、出力物の保護、さらに複合機のシステム自身の保護に至るまで、あらゆる知識と技術を結集し、多方面のセキュリティ対策を提供しています。

複写機は1990年代後半頃からプリンター機能を統合し、ネットワーク機能を有した複合機へと発展しました。ICT技術の進歩に合わせて、複合機のネットワーク機能も進化を続け、2000年代には複合機の機能と業務アプリケーションソフトを連携する独自技術Sharp OSA®を展開し、お客様の業務に応じて複合機の機能を活用できるようになりました。さらに現在、代表的なクラウドサービスとの連携機能を強化し、オフィスの情報共有を支援しています。

「COCORO OFFICE」は、働き方改革を支援するスマートオフィスサービスです。複合機やNASといった対応機器だけでなく、多様な働き方をサポートする業務支援サービスの導入により、時間や場所に縛られず柔軟に働ける環境を提供します。また、機器とサービスとユーザーをCOCORO OFFICE IDによって結び付け、機器やサービスの導入から運用までトータルサポートすることで、ユーザーの働き方に合わせたソリューションをご提案しています。