2004年の段階で、世界に先駆けてフルハイビジョン解像度の液晶テレビを発売したことは、AQUOSの最も大きな功績の一つです。2000年12月から、BS放送でハイビジョン放送が始まりましたが、NHKとWOWOWが送信していたのが、横方向の画素数が1920、縦方向1080のフルスペック放送でした。ところが当時はその美しさをそのまま見られる受像機がありませんでした。すべてが、それ以下の解像度で表示していました。つまり送信されているフルハイビジョンの美しい映像を見ることはできなかったのです。 2004年8月に初めてそれに応えたのが、AQUOSです。
その当時、たとえ一つひとつのドットを細かくできても、600万個のドットをどう駆動させるかが非常に難しい課題でした。研究開発、パネル開発・製造から、テレビ開発・製造と、川上から川下まで一貫して自社で手掛けるシャープだからこそ、可能になったことです。先陣を切ったAQUOSが業界全体を奮起させ、その後一気にテレビのフルハイビジョン化が進みました。それはまさにAQUOSの大功績です。
AQUOSは、日本のリビングルームの形を変えたと思います。それ自体の形、デザインの洗練ばかりではなく、置いた部屋の雰囲気も変える力を持っていました。フルスペックでなかったらここまで大画面化できなかったでしょうし、大型化したことで、見るコンテンツも変わりました。デジタル化によって“個”として分化していた家族が、テレビが大きくなったことで家族揃ってスポーツなどを見るようになり、再びテレビによって結びつく流れも生まれました。
さらに、「情報だけ映っていれば良い」という従来のアナログテレビの時代から、大型かつ高精細になって、色も表現力が豊かになると、臨場感や情緒までが伝わってくるようになりました。たとえばあたかも映画館やコンサートホールにいるようにコンテンツのなかに入って楽しめるようになり、人とテレビの関わり方そのものも変えてしまったと思います。
このように日本のリビングの形をすっかり変えたことも、この十年のAQUOSの功績といえますね。